医療保険に加入すべきかを真剣に考えてみた

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よく日々の出費を節約をするときに気にされる一つに医療保険の保険料があると思います。

ただこれが適正なのかどうか?この辺がピンと来ていない方が多いのかなと思います。

この記事では

 

「民間の保険会社の保険に全く入らなければどうなるのか?」

ということを考えてみたいと思います。

 

私の結論としては

「最低限の医療保険は加入しておくべき」

であると考えています。

ではなぜ医療保険に加入すべきなのか。その点について紹介していきたいと思います。 


1.公的な健康保険だけで大丈夫なのか?

まず公的な健康保険でどれぐらい保障があるのか見てみましょう。

 

医療費の給付について

①療養の給付

これは普通に病院に行ったときに公的医療保険で給付されるものです。

自分の自己負担の割合はだいたい知っていると思いますが、他の年代の自己負担の割合は知っていますか?

参照:厚生労働省

これを見ると70歳以上は自己負担額が少ないです。現役世代の医療費負担は3割となります。

 

②入院時食事療養費

入院した時に出る食事も自己負担額が決まっており、基本的には1食460円の負担で済むようになっています。その他は以下の通りです。

参照:全国健康保険協会

一食460円が高いのか安いのかはそれぞれ個人差があると思いますが、制度上、この値段以上よりは高くならないようになっています。

仮に30日入院すると460円×3食×30日=41,400円です。

これプラス3割負担の療養費と考えると確かに痛い出費かもしれません。

 

③入院時生活療養費

65歳以上の方が入院する場合、光熱水費(居住費)として基本的には自己負担額が370円で済むように、保険給付として入院時生活療養費を支給されます。

参照:全国健康保険協会

ちなみに医療区分についてはこちらです。ご参考までに。

参照:厚生労働省


④高額療養費

3割負担だったら、もし100万円の手術が必要な場合30万円も払わないといけないことになります。そういう場合に所得に応じて一定の金額の支給を受け取れる制度があります。それが高額療養費です。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。 ※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。

被保険者、被扶養者ともに同一月内の医療費の自己負担限度額は、年齢及び所得に応じて変わってきます。以下の表を参照してください。

参照:厚生労働省
参照:厚生労働省

例えば30歳で「ウ」に該当する年収の方について、総医療費(10割)が100万円かかったとすると、

80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円

100万円の治療を受けても、87,430円の負担で済みます。

ただ、先ほど申し上げたとおり、差額ベッド代の全額自己負担分が含まれませんので、このことも考慮しておく必要があると思います。

参照:住友生命ホームページ

ただ、5人部屋以上の部屋であれば、差額ベッド代はかかりませんので、それを覚えておけば大丈夫です。

1人部屋を希望される場合はその分の費用も考慮すべきです。

 

⑤出産育児一時金

被保険者または被扶養者が出産した場合、原則42万円が支給されます。

出産のイラスト「赤ちゃんとお母さん」

 

⑥傷病手当金

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

入院費を心配する患者のイラスト(男性)

労務不能を証明する医師の意見書と事業主による休業証明が必要となります。

これは国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入の方は給付がありませんので注意してください。

条件が合致した場合、最長1年6カ月間、標準報酬金額の3分の2の支給を受けることができます。

支給を受ける際はそれぞれの健康保険組合に問い合わせしてください。条件等が一部異なる場合があります。参考として全国健康保険協会のホームページを見ていただけると分かりやすいです。

「全国健康保険協会ホームページ」

 

⑦子供の医療費

各市町村によって異なりますが、子供の医療費は未就学(小学校に入る前)は基本的には無料、小学校就学後も自己負担額の上限があるところが多いようです。

これはお住いの市町村のホームページをご確認ください。

平成29年度の全国の対応状況も以下で確認することができます。

平成29年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」について(厚生労働省ホームページへリンク)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213116.html

 

2.病気になった時はどれぐらい医療費がかかるのか?

では実際に病気になった時にどれぐらいの費用が掛かるのでしょうか?

以下をご覧ください。標準報酬月額が28万円~50万円の70歳未満の方で見ると、自己負担額は大体10万円弱ということになります。

平均では入院期間が1カ月を超えませんが、入院や通院が何カ月も続くと10万円×何カ月=?ということになります。

参照:価格.com

また、先進医療を受ける場合、全額自己負担になります。以下をご確認ください。

参照:価格.com

やはりがんの先進医療である、陽子線治療や重粒子線治療は件数が多く金額も300万円近い費用が掛かっています。

では病気になった際の医療費を想定してみましょう

標準報酬月額:28万円~50万円

病気:胃の悪性新生物(がん)

入院日数:20日

 

想定される費用

入院費用:86,700円(高額療養費制度適用後)

食費:460円×3食×20日=27,600円

差額ベット代(1人部屋の場合):7,797円×20日=155,940円

合計(差額ベット代あり):270,240円

(一日当たり13,512円)

合計(差額ベット代なし):114,300円

(一日当たり5,715円)

入院している際に1人部屋が良いというニーズはあると思いますが、

そこにこだわらなければ、半額以下で済みます。

入院中の女性とお医者さんのイラスト

もし治療が1年間続いたと仮定した場合、

差額ベット代あり:270,240円×12カ月=3,242,880円

差額ベッド代なし:114,300円×12カ月=1,371,600円

が必要となります。

逆に言うと貯蓄がこれだけあれば基本的には医療保険に加入する必要はないということになります。

 

3.医療保険に入った方がいいのか?不要なのか?

公的な保障や費用についてイメージがついてきたと思います。

では結果的に医療保険に加入すべきかどうかです。

私の結論としては

最低限の医療保険には入るべきだと思います。

ただ先ほどご説明したとおり、既に300万円程度の使用使途が無いお金を貯金している人は不要と考えることもできます。(ただ先進医療を受けたいと思っている方は先進医療特約を付加した医療保険に入った方が良いと思います。)


例えば30歳の男性が医療保険入院日額5,000円の医療保険+一時金100万円、治療サポート給付月10万円のがん保険に加入した場合、月4,889円の保険料です。

50年払うとして4,889円×12カ月×50年=2,933,400円となります。(ライフネット生命で算出)

丁度300万円ぐらいです。

300万円を貯める場合は月5万円貯める人であれば、5年間かかります。厄介なのはいつ病気になるか分からないので、このお金を運用に充てることはできません。運用には流動性リスクがあるからです。

逆に医療保険であれば4889円×12カ月×5年間で、293,340円で済みます。

仮に月5000円を保険とした場合、4万5000円を運用に充てることもできるので、こういう医療保険の活用方法も良いのではないかと思います。

ですのでお金のない若い方ほど、医療保険に加入し、余ったお金で運用していくべきだと思います。

運用については別の記事で紹介しているので参考にしてください。

 

まとめ

まず、医療保険に加入していないからといって、慌てる必要はないと思います。

ある程度の保障は公的な健康保険で賄えていますので、今の現状からどうすれば良いかを考えればいいのではないでしょうか。

私は最低限の保障の医療保険に加入し、積極的に運用できるお金を捻出するのが良いのではないかと思います。

医療保険は「お守り」の様なものです。

病気にならなければ保険なんて要らず、保険料は捨ててしまっているのと同じですが、人生に一度は大病にかかると思います。

医療保険に加入することで得ることは「安心」です。

今一度自分自身の将来について考え、備えてみてはいかがでしょうか。


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