みなさん資産運用していますか?
資産運用をしたことがない人におすすめなのが、
つみたてNISAです。
つみたてNISAには
「非課税」
「購入手数料なし」
「信託報酬が低い」
という特徴があります。
私自身、株式やFX、仮想通貨などリスクの高い商品は購入していませんが、様々な金融商品に触れてきました。
その中でもこの「つみたてNISA」は今までにない魅力的な特徴を持っています。
ここでは、資産運用の必要性からつみたてNISAのメリット・デメリットについて紹介していきたいと思います。
そもそもなぜ資産運用が必要なのか?
「資産運用はしないといけないかな…」と思っている人はたくさんいると思いますが、
「損したら嫌だ」「難しそう」「ギャンブルと同じ」
という思いから資産運用に踏み出せない方もたくさんおられると思います。
ではそんなみなさんに質問です。
なぜ資産運用が必要なのですか?
答えとしては
「年金がもらえるかわからない」
「今のうちに貯金しないとリタイア後に豊かな生活ができない。」
「なんとなくお金を増やさないといけないから」
といったところかなと思います。
では追加で質問です。
・自分がどれぐらい年金をもらえるか知っていますか?
・リタイア後の豊かな暮らしには月にいくら必要か考えたことはありますか?
・投資したお金をどれだけ増やすかターゲットを立てていますか?
これらの質問には意外と答えられない方が多いのではないかと思います。
将来のお金がどれぐらい必要なのか、それが年金で補えるのかということが分からないので、資産運用の重要性について十分認識できていないのではないでしょうか。
私は資産運用は好きとか嫌いとか、簡単とか難しいとかではなく
「資産運用はやらなければならないこと」
必要だから資産運用を行うのです。
金融庁が作成した報告書に65歳で2000万円必要として話題になっていますが、私はそれ以上に必要であると考えます
資産運用をしなくても良い人
一方で資産運用を行わなくても良い方もいます。それは
お金持ちです。
お金持ちは資産運用する必要がありません。
増やさなくてもお金が十分あり、生きていけるからです。
ではお金持ちとはどれぐらいの資産を持っている人でしょうか?
65歳の夫婦(妻は専業主婦)の場合、年金受取額は平均19万円です。
・ゆとりある生活を送る場合は月36万円の支出
・必要最低限の生活でも月27万の支出
が必要であると言われています。
・ゆとりある生活を送る場合、月17万円=年間204万円の赤字
・必要最低限の生活の場合、月8万円=年間96万円の赤字
となります。
65歳から90歳まで生きたとすると
・ゆとりある生活=年間204万円×25年=5,100万円
・必要最低限の生活=96万円×2,400万円
が必要なお金です。
65歳まで働いたという前提であれば
65歳時点で5,000万円確保できる方のことを
お金持ちと考えるべきでしょう。
逆に65歳時点で5,000万円を確保できないのであれば、
資産運用は必要である
と考えることもできます。
必要最低限の生活でも2,400万円の確保が必要です。
さらに年金額は少なくなっていくと言われていますので、上記の金額よりも貯蓄する必要があります。
投資信託で資産運用を行っている人の割合は?
資産運用はすべきですが、実際は投資信託を保有している方は全体の
16%程度です。
そのうち60歳以上が半数以上を占めています。
これはおそらく金融商品を販売している金融機関が退職金が入り、平日にも面談しやすいお金持ちばかりに販売している傾向にあるからだと思います。
しかし、本当に資産運用をしないといけないのは、お金が無い人です。
金融機関は本当に必要な人に金融商品を販売すべきなのに、それをずっとないがしろにしてきたのです。
これからは若い人が投資をしなければなりません。
資産運用をするとどれぐらいお金が増えるのか?
では実際に運用すればどれぐらい増えるのか、25歳から毎月10,000万円ずつ65歳まで積立する想定で考えましょう
①現金
定期預金にも投資信託にもせず、現金を保有していた場合は
10,000万円×12カ月×40年=480万円となります。
これをベースに考えましょう。
②定期預金
定期預金のレートは0.1%と想定(これも現在では高い方です。)すると、
4,897,085円となり、増加額は
97,085円となります。
40年やっても97,085円しか増えません。まじか…。
元本保証とはいえ、まじか…。
③投資信託
ここでは「eMAXIS バランス(8資産均等型)」のリターンをベースに考えます。
このファンドは国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内不動産、先進国不動産に均等に投信しているファンドです。
このファンドは5年間のリターン(年率)が5.5%ですので、一旦5%で想定します。
すると15,260,202円になります。
10,460,202円増加します。
もちろんリターンがずっと5%で回るかは分からないので、保証された金額ではありませんが、月1万円の積立をこつこつ投資することで、これだけのリターンが期待できます。
投資信託のリスクは?
リターンを得るためにはリスクも負う必要があります。
リスクを知ることは、リスクに対して対策が取れることにつながります。
見ていきましょう。
価格変動リスク
投資信託が組み入れている株式や債券の価格が変動する可能性のことです。株価は最終的には市場における需給によって決まりますが、一般的に、国内及び海外の政治・経済情勢、企業の業績等の影響を受けます。
為替変動リスク
為替レートが変動する可能性のことです。外国通貨建ての資産に投資する投資信託の場合、一般的には円高になれば基準価額にマイナス、円安ならプラスの影響があります。
外国の株式や債券で運用する投資信託には基本的に、為替変動リスクがあります。
信用(デフォルト)リスク
債券等を発行する国や企業が、財政難・経営不振などの理由により、利息や償還金をあらかじめ定めた条件で支払うことができなくなる可能性のことです。
金利変動リスク
金利が変動する可能性のことです。一般的に、金利が上がると債券価格は下落し、金利が下がると債券の価格は上がります。また、満期までの期間が長い債券ほど、金利変動の影響を大きく受けます。
色々な要因はありますが、
投資信託は値動きする商品だということです。
値動きのイメージを持つために以下のファンドをみてください。
このファンドでは例えば100万円投資した場合、124万円になることもあれば、66万円になることもあります。しかも短期間で。
このファンドは標準偏差が大きいファンドですので、このような値動きになります。標準偏差の説明を以下に記載しますが、簡単に言うと値動きのブレのことを言います。
標準偏差 とは
標準偏差は、ある測定期間内のファンドの平均リターンから各リターン(例えば月次リターン、年次リターン等)がどの程度離れているか(すなわち偏差)を求めることによって得られる統計学上の数値です。この数値が高い程、ファンドのリターンのぶれが大きくなります。例えば、同一のリターンが期待される2つのファンドがあった場合、標準偏差が大きいほど期待したリターンが乖離(かいり)した結果となる可能性が高くなります。(モーニングスターより引用)
逆に標準偏差が小さいファンドを紹介します。
このファンドであれば、100万円が101万円になることもあれば、99万9千円になることもあります。
これは先ほどと比べると値動きがかなり少ないファンドです。ただし、このファンドはなかなか増えないので、ある意味面白みが無いとも言えます。
このように大きなリターンを求める場合は、リスクもある程度取る必要があります。
リスクを抑える方法
ある程度リスクを取らないとリターンも期待できません。
そのリスクを抑える方法について紹介します。
基本的には以下の3つです。
①資産の分散
②長期保有
③時間の分散
こちらについては投資信託協会のホームページから引用させていただきました。
方法1: 資産の分散
資金を1つの金融資産にまとめて投資せず、さまざまな種類に分散して投資すればリスクも分散され、安定度は増します。
投資信託の投資対象はさまざまで、国内外の株式・債券のほかに、これらとは値動きの異なる不動産(REIT)やコモディティ(エネルギーや農作物など)などバラエティに富んでいるので、投資対象の異なる投資信託をいくつか保有することで、複数の資産に対して投資をすることが可能になります。また、1つの投資信託の中で、複数の資産に対して投資を行っている投資信託もあります。
例えば1社の株式を100万円もっているのと、100社の株式を1万円ずつ持っているのとでは、どちらがリスクが高いでしょうか?
前者はその会社が倒産した場合、100万円の損となりますが、後者は1社が倒産しても1万円の損で済みます。
これの応用で株、債券、不動産や国内・海外を組み合わせ、リスクを抑えることが重要です。
方法2: 長期保有
市場は、短期間でみると一時的要因で大きく変動することがありますが、長期間でみると、この変動リスクが小さくなる傾向があります。
実際に見てみましょう。
下の表では株式投資した期間でどれだけ値動きのブレがあるかを示しています。
長期投資すればするほど、損する値が減ってきています。当然得する割合も減っていますが、リスクを抑える点としては非常に有効であることを示しています。
もう一つ、短期投資では普通のサラリーマンでは勝てない理由があります。
短期投資でライバルになるのは、
プロの投資家(機関投資家)になります。
機関投資家とは、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、普通銀行、信用金庫、年金基金、共済組合、農協、政府系金融機関など、大量の資金を使って株式や債券で運用を行う大口投資家のことをいいます。
何が言いたいかというと、投資の世界では得した人がいれば、損した人もいるということです。
正直、プロの投資家と短期投資で真っ向から勝負するには一日中パソコンを見て、値動きをチェックする必要があります。そこまでやっても知識や資金量等で勝てないことがほとんどです。
そしてサラリーマンにそんな時間はありません。
逆に機関投資家は年度ごとに会社等の決算があるため、短期で結果を出す必要があり、投資銘柄を頻繁に入れ替える必要があります。長期投資がなかなかできません。
ですので私たちは長期投資という武器で対抗するのです。
方法3: 時間の分散
一度に全額を投資するのではなく、何回かに分けて投資したり、毎月一定額を積み立てるなどの方法で購入時期を分散させることによって、一度に投資するよりも購入価格を抑える効果が期待できます。
このことを「ドルコスト平均法」と言います。
簡単に言えばファンドの価格が高い時も、低い時も同じ金額を買付していく方法の事を言います。
株価が1000円の時も100万円、500円の時も100万円、1500円の時も100万円を買い付けます。
上記の表では100万円×4回投資していますが、
株価1000円で400万円投資した時よりも、安い単価で買付できています。
投資タイミングを分散することで、値動きが大きい局面があったとしてもリスクを抑えることができます。
おさらいします。
複数の資産に分散する
長く保有する(短期で売却しない)
時間を分散して投資する
ということです。
つみたてNISAのメリット
長く保有する、時間を分散して投資する際に非常に有効なのが
つみたてNISAです。
メリットについて早速見ていきましょう。
①非課税
投資信託で利益が出た場合、20.315%の税金がかかります。
例えば100万円投資し、150万円に値上がりして解約すると
増えた50万円に対し、20.315%の税金がかかります。
500,000円×15.315%(所得税)+500,000×5%=76,575円+25,000円=
101,575円が支払う税金になります。
これがつみたてNISAならばこの10万円ほどの税金がかかりません。
税金がかからないということは、それだけ投資効率が高くなるということです。
非常に大きなメリットだと思います。
②購入手数料はゼロ
つみたてNISAの購入手数料はかかりません。
制度上そのように決まっています。
ではこれがどれぐらいメリットがあるのか具体的に見ていきます。
まずはこちらをご覧ください。
銀行や証券会社が販売する投資信託は約2%ほど手数料がかかっています。
先ほどの25歳から40年間、毎月1万円ずつ、5%の利回りで投資信託を積立した例を思い出してみましょう。
4,800,000円が15,260,202円になりました。
では手数料を考慮して計算します。
月1万円のうち手数料が2.16%(税込)かかる場合、212円かかります。
10,000円-212=月9,788円の投資になるとどうなるのでしょうか?
結果は4,800,000円が14,936,685円になりました。
差は15,260,202円-14,936,685円=323,517円の差となりました。
購入手数料が高い投資信託の方が、運用パフォーマンスが高い可能性もありますが、同じようなファンドであれば、手数料はできる限り安いファンドを選ぶべきです。
③信託報酬が低い
信託報酬が低いのもつみたてNISAの魅力です。
信託報酬は運用手数料で運用会社・販売会社・受託会社に払う費用のことです。
先ほどの購入手数料は販売会社に払う販売手続時にかかる費用です。
これとは別に運用している間にかかる費用が信託報酬です。
ちなみに運用会社は「○○アセットマネジメント」とか「○○投資信託」と言われる会社でファンドの運用の指図をします。(こういう運用をしろ!という指示を出す会社)
販売会社は銀行や証券会社等で、分配金や解約金を顧客へ支払いし、アフターフォローなどの相談業務を行います。
受託会社は主に信託銀行です。運用会社からの運用指図に基づいて実際に運用を実行している会社です。ですので実際のお金は運用会社ではなく、受託会社が保管・管理しています。
信託報酬は上記の業務のために支払われている費用になります。
この信託報酬も実はピンキリです。
インデックスファンドの代表225のファンドで見てみましょう。
上記のファンドは信託報酬が0.17%です。
100万円このファンドを持っていた場合、1年間の信託報酬は
1,000,000円×0.17%=1,700円です。
もう1つのファンドも見てみましょう。
上記のファンドは信託報酬が0.86%です。
100万円このファンドを保有していた場合、1年間の信託報酬は
1,000,000円×0.86%=8,600円です。
同じ225のインデックスファンドでも信託報酬が5倍も違います。
可能な限り、信託報酬が安いファンドを探す必要がありますが、つみたてNISAで投資するファンドは信託報酬の上限が決まっています。
信託報酬が安いことも運用効率が良くなる1つのメリットです。
ちなみに信託報酬が3%のファンドもありました。
1,000,000円×3%=30,000円ですので、余程良い運用をしてくれるのでしょう(笑)このファンドで運用がトントンなら毎年30,000円ずつ減ります。恐ろしい…。
つみたてNISAの注意点
①1人1口座しか持てない
複数の金融機関にまたがってつみたてNISAを持つことができません。ですのでつみたてNISAの口座を持つ場合はメインの金融機関を決める必要があります。
②20歳以上
20歳以上の人しかつみたてNISAを持てません。20歳未満の方にはジュニアNISAという制度もありますが、ここでは割愛します。
③一般NISAとつみたてNISAのどちらかしか持てない
一般NISAとつみたてNISAのどちらかしか選べません。一般NISAの内容については以下を参照してください。
④毎年40万円が投資限度
1年間で40万円しか投資できません。毎月の積立額だと33,333円が限度になります。また使用していない非課税枠は翌年に繰越できません。
例えば2019年は20万円使用して、20万円使用していなかった場合、2020年の投資枠は60万円にはならず、40万円のままになります。
⑤非課税期間が20年
例えば2018年に投資したものは2037年までは非課税となります。それ以降保有する場合は、課税口座に移ります。目安としては20年以内に解約することも考えておく必要があるかもしれません。
また20年間保有後、ロールオーバー(翌年の非課税枠を利用して非課税期間を延長すること)はできません。
下のイメージ図を参考にしてください。
⑥金融機関の変更は1年ごとしかできない
NISAをほかの金融機関に変更することは可能ですが、1年ごとしか変更できません。2019年はA銀行、2020年はB銀行といったように1年ごとの変更であれば可能です。窓口の手続きを希望する場合は、住居周辺の金融機関、ネットであればファンドが多いネット証券をおすすめします。
⑦損益通算できない
投資信託は通常損益通算できます。例えばAファンドで50万円プラス、Bファンドで50万円マイナスの場合、損益通算し、±0になり、Aファンドの50万円に対する税金はかかりません。
しかし、Aファンド(特定口座)で50万円プラス、Bファンド(NISA)で50万円マイナスの場合、損益通算ができないので、Aファンドの50万円に対し税金がかかってしまいます。
おすすめファンドは「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」
資産運用の目的、リスク、つみたてNISAの特徴を説明してきました。
「じゃあどのファンドがいいんだ!」という方もおられると思うので、1つファンドを紹介したいと思います。
最終的には自分自身が調べてリスクを納得してファンドを選ぶのが理想です。
そしておすすめするファンドは私の独断と偏見ですので、責任は負えませんが、選んだ基準を参考にしていただければと思います。
私のおすすめするファンドは三菱UFJ国際投信の
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
です。
おすすめする理由を順番にお伝えします。
①1ファンドで複数の資産に分散可能
この1ファンドを運用するだけで、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内不動産、先進国不動産に分散投資が可能です。リスクを抑えつつ、海外にも投資するので一定のリターンも狙えます。
②信託報酬が安い
インデックス型なので信託報酬が0.17%とバランス型ファンドでも業界最安レベルです。投資効率が良いファンドになります。
③購入手数料が無料
当然、つみたてNISAの対象商品ですので購入手数料が無料です。
購入手数料もかからず、信託報酬も低いので投資効率は非常に良いです。
上記に加え、非課税、積立投資による時間分散も図れており、これから資産形成を行うにあたっては魅力的な商品ではないでしょうか。
ひとつ考慮する点があるとすれば、積立投資をする場合は、値動きの大きいファンドの方が良いと言われています。その点でいえばこのファンドの標準偏差は高くはありません。
ただ、投資初心者で値動きが激しいファンドを持つのは、もう少し投資経験を積んでから投資することをおすすめします。
その点からも、このファンドは丁度良いと思います。
まとめ
これを読んでいる方で、「投資するお金なんてない!」と言われる方もおられるかもしれません。
ただ、資産運用は必要です。
他の記事ではそのお金を捻出する節約術やお得な情報を紹介していきたいと思っていますので参考にして下さい。
資産運用は不労所得です。
普段働きながら、お金にも働いてもらうことが効率的なお金の増やし方だと思います。
ネット証券では月1,000円からでも始められますので、早く資産運用を始めることが大事です。
投資初心者の方はつみたてNISAで資産を少しずつ増やしていきましょう。
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